数学に向かわせる方法

◯相談内容:

中学受験を経て、現在中高一貫校に通っています。中堅レベルの学校で、4クラスのうち一番上のクラスにいます。将来は国公立難関校もしくは医学部を目指すクラスです。

はっきりいってわが子は文系人間です。ごく短時間に多くのことを暗記して、それをアウトプットすることは非常に得意です。読書(漫画も含む)好きで、歴史も細かく記憶し、年表の数字もかなり正確に記憶します。今のクラスにいるのも国語や英語、社会の点数のおかげです。順位は35人中、20位あたりです。

しかし学校の今いるクラスは完全に理系で、親としても大学は理系に進んでもらいたいと思っています。

数学が特に嫌いです。図形を描かせても、例えば放物線は三角形のようになってしまい、図形に数値を書き込んでいくうちに、消しゴムで完全に消し切れていない数字や文字が邪魔をして、カオス状態になっていまい、とてもじゃないですが正解などにはいきつけない状況に陥ります。

極端に数学を嫌っている様子です。なんとか取り組んでくれるよう仕向ける方法はないでしょうか。(東京都世田谷区・中学2年生・男子)

◯回答(1):

自分の経験から・・・僕は文系人間で理数系は苦手でした。そんな人間の経験からアドバイスさせていただきます

僕も図形とかグラフとか苦手でしたね。でも計算は得意になろうとけっこう多くの問題演習をしました。≪式≫や≪方程式≫のある計算問題,高校になってからの微分積分問題はなかなか興味を持って得意とはいえないけど不得意な状態からは脱することができていました。定期テストや模試でも得点源になったのは計算部門でした

図形は,グラフを描いて考えたり,とりわけsin/cosの三角関数などは意味不明で,図形的にとらえられなかったのでいつも困っていました

でもあるとき中高一貫校生の友人に『グラフなんか一つ描けたらええねん。それを原点を移動させたり横に伸ばしたり縦に伸ばしたりしたりグラフかけるよ』というアドバイスをもらいました。それからは一次方程式・二次方程式・三次方程式などで代表的な形だけ覚え,それがx軸やy軸と交わる交点は得意の計算で出し,とうやって時と場合に応じて応用して考えるようになると,できるようになりました

最後まで不得意だったのは三角関数でしたね。これは式を覚えただけでテストに望んでました。とは言え,式すらも覚えにくく困りました。とにかく何を意味しているのかがわかっていないのだから覚えても利用場所がわからないわけで(笑)

最終的(大学入試)にはただただテストに出ないことだけを祈ってました。でもなんとか国立大学には合格できたので,文系数学はそんなもんでいいのだ,と納得しています(笑)

アドバイスになったかどうかわかりませんが,何か得意部分を見つけて(自分で作って)そこから伸ばしていき,それを何とか活用して,じょじょに不得意分野もこなしていくようにしてはいかがでしょうか。時間は十分あるのであとは自分の考え方しだいです

◯回答(2):

中学2年生で中学校内容を終え、3年生から高校数学(数Ⅰ・A)に進んで行かれるのではと思います。高校数学は確かな計算力と適切な公式の取り扱いが、問題解法の上で重要なポイントになります。

そこで現状をどのように変えていくかということですが、長期休暇の間に前学期の復習を必ず行って基礎的な解法を理解し、いくつかの公式・解法を組み合わせて問題を解く訓練をすることが重要です。

具体的には、一次関数、不等式、円、式の展開・因数分解、平方根、二次方程式、二次関数、相似、三平方の定理、場合の数と確率が、数Ⅰ・Aで応用・発展的内容(入試問題)へとリンクしますので、これらの単元の復習による基本的な解法の定着を図ることです。

学習の順序としては式の展開・因数分解、平方根・1次不等式・2次方程式の計算練習(公式の使い方・解法の理解を含む)を丁寧に進め、ある程度の応用問題までできるように頑張って下さい。それにしても中高一貫校生特有のこうしたお悩みは本当に根深いものがあります。

1次関数・2次関数については、計算を主体とした式の求め方をきちんと行い、定義域・値域、変化の割合まで練習を進めて下さい。
なおグラフや図形に数値を書き込むとカオス状態になることを防ぐには、もとになる図を「黒ボールペン」で描いておき、後から「鉛筆」で数値を加えて行くと、消した時にごちゃごちゃしなくなると思います。
関数と図形の融合問題は易しい問題から解き始め、自信をつけて下さい。せっかく頑張ってつかんだ中高一貫校生としての学園生活を、生き生きと過ごしてもらいたいものです。

円、相似、三平方の定理は数Ⅰ・Aで三角比、三角形の5心、方べきの定理へつながりますから、特に基本的な定理の使い方を問題演習で理解して下さい。場合の数・確率も同様なことが言えます。

まとめると、数学の問題演習をする物理的な時間数を増やす、基本的な解法を身につけて定理や公式の使い方を理解する、解いていく過程で理解が進み、自信がついてくるとやや難しい応用問題などを解いてみる(解けなければ解説を参考にしながら解法を理解する)というサイクルで学習を進めることをお勧めします。