高卒認定試験について

◯相談内容:

息子は高校1年の1学期で退学しました。もともと中学生時代から不登校で、高校受験もなんとかだましだましクリアしたような経緯があり、予想はしていたのですが、親としてはショックでしばらく呆然とした日々が続いていました。

今は高卒認定試験に向けて勉強を始めているのですが、数学や英語については勉強できているようですが、他教科、例えば社会や理科はまったく手をつけようとしません。時間がタップりあるにも関わらず、一切しようとしないのです。「勉強の仕方が分からない」というばかりで。ご助言いただきましたら幸いです。(大阪府吹田市・16歳・男性)


◯回答(1):

社会について解答させていただきます。社会は暗記科目と言われていますが、ただやみくもに覚えればいいというわけではなく、歴史の場合、時代の流れをつかむことやさまざまなイベントがなぜ起こったのかを理解することが重要です。

勿論人にもよりますが、これを教科書を読むことだけで行おうとするとなかなか難しい生徒さまが多いように思います。このような場合、私はyoutubeの動画授業をお勧めしています。色々な先生が自分のスタイルでわかりやすく教えてくれるものが最近では多数アップされていますので、自分の好きな授業を受け、その知識をベースに問題を解いたり、足りない部分のみ教科書や参考書で補うやり方を一つの方法としてお勧めします。不登校という状況を少しでも改善できるお手伝いもご縁を得られればさせていただきます。

◯回答(2):

高校受験を経験されたということですので,中高一貫高ではないと判断しましたが,そうなると,高1で退学されたということはほとんどの教科を中学履修程度で終わっているということですね。不登校になられてまだそれほど経過していらっしゃらないとお見受けいたしました。

そうなると今の総合力や得意不得意のばらつきがどれくらいかは把握できないので一般的なことは言えませんが,まず好きな得意科目で安定した得点が得られるところまで伸ばす方がいいでしょう

不得意科目(例えば社会)を無視するというのではなく,1週間のうちの少なくとも何時間かだけでもそれに割く,程度の気持ちの方が伸びやかに進めるかと思います

試験は8月と11月にあり,どちらを受験されるご予定であるかはこの文面ではわかりませんが,8月が可能であれば8月でいいですが,もう少し時間の余裕を見て11月に受験するとして,夏休みまでは他教科,夏休み以降は本格的に不得意教科,というような余裕ある予定の方が子供さんに向いていると思われます

もちろん毎日勉強されるのなら申し分ないでしょうが,退学したことで精神的状況・身体的状況・時間的状況の変化を最も影響を受けているのは息子さんであると思われますので,まずは息子さんのやりやすい状況でやりたいことからやらせてあげる,のがベストだと思います

私の過去の指導経験でも退学されて国立大学や医学部へ合格された生徒も少なからずおられます。共通して言えるのは子どもの自律性及び自立性を尊重したスケジュールをアドバイスすることだと思います。まずは得意科目を安全圏内にまで高め,そこで得られる安定感を土台に不得意科目へ進めて行くというぐらいの余裕があった方がいいと思います

◯回答(3):

いわゆる飛び級とは少し違いますが、卒認は通常の高校生より早期に高卒同等を確定できるメリットも有り、それを学習の動機付けにすることもできます。(どうしても不得手な教科は単位制を併用することもできますが。)卒認は大学入試前における自立型学習の極みとも言え、不登校という環境に身を置かれながらも、自己を律しこの制度を突破した経験は、きっとお子さんの今後の人生において大きな自信になることでしょう。将来の就職面接等でも自信を持ってこの逆境を克服した経験を筋を通して語り、面接官を説得して下さい。何も高校のレールから脱線したとか卑屈になる必要はなく、この国家認定試験突破を糧とし堂々と今後の人生を切り開くことを念じております。