勉強部屋を最適化する方法

勉強部屋の整理は大人が手伝ってでも行う

 先にも述べました通り、勉強ができる人は自分に必要な最低限度のものに囲まれて、余白を持って生活しています。

 起床時間や就寝時間が非常に規則的なことも特徴です。そのため、様々なことが無理なく効率よく進んでいきます。一度見たり聞いたことは長く覚えていられたり、人よりも早く何かをマスターできたりします。

 要するに勉強する以前のことがしっかり守られている特徴があるのです。

 規則正しく生活しよう、なんて昔校長先生が朝礼で言っていたような、陳腐な言葉だと思っていては学びのプロには絶対なれません。規則正しく生活できている人が実際に勉強ができ、希望する道をどんどん歩んでいるのですから、ぜひまずそこを見習うべきなのです。

 起床時間や就寝時間については後述に任せることにして、まずその第一弾として、勉強部屋を最適化することから着手しましょう。

 初めに、用意する物はいくつかの段ボール箱です。何年も使っていないものは、段ボール箱に入れ、廃棄するか別の場所に保管します。対象物はあらゆるものです。本でもぬいぐるみでも思い出の品でも思い切って行います。

 この作業は年に1回いつでもいいから行ってください。大人が手伝ってでも必ずして下さい。

 次に机周りを整理します。椅子に座って半径2メートル圏内には、頻繁に使用するものだけを置きます。教材やノート、文房具などが中心になります。カレンダーや時計、時間割などはすぐ視界に入る場所に配置します。

 それより遠い範囲になるに従って使用頻度が低くなるモノを置きます。時々使う参考書や図鑑などがそれにあたります。

 では使用頻度の高いゲームや漫画など娯楽のためのグッズはどうするかというと、家族の共用スペースなど大人の目が届く範囲に置きます。そうした場所に置いておくことで、ゲームや漫画で時間を使っている間中親に見られているという状態が、ある程度子供に心理的抑制効果を働らかせることが期待できます。

勉強部屋をシステム化する

 どんなに部屋をかたずけて整理しても、時間が経つと必ずモノが増え、秩序が乱れてきます。ある程度は仕方がありません。しかし、最低限次のことは必ずして下さい。

 空の段ボール箱を二つ、ゴミ箱の横に置きます。

 これは、明らかなゴミとは今の時点では言いきれない判断に迷うものを、どんどんそこへ放り込んでいくためのものが一つ。一杯になった時、捨てるかどうか決断すればいいです。

 そしてもうひとつは、配布物やプリントなどをなんでもとりあえず一次的に放り込んでおくためのものです。、すぐにファイルに整理するのが億劫なタイプ(双曲割引タイプ)の人に適しています。これは、定期的に親がチェックして、教科別に分類してファイリングを手伝ってあげてください。もちろん子供が自主的にするのがベストですが、おそらくそうした習慣はそう簡単には身につかないので、親が手伝ってでも必ずして下さい。

 行動している姿を子供に見せてあげてください。口だけで「かたずけなさい。」「勉強しなさい。」これだけは絶対にやめてください。子供が一番嫌がるパターンです。

 何カ月、何年かかるかわかりません。しかし、学びの拠点たる勉強部屋がカオス状態の中で、そこに暮らす子供には絶対に進歩はありえません。部屋の中はその子の頭の中だと思ってください。そう子供にも言い聞かせ、そしてここが一番肝心ですが、言うだけでなく行動で示してあげてください。一緒に整理していってあげてください。
 
 空の段ボール2箱が、システム化の核になります。「かたずけなきゃ」という心理的な負担を軽くする狙いがあります。長続きさせ、いずれは自分から進んで整理していくようになります。

ノートの背表紙に題目を

 ノートの背表紙はかなり面積が狭く、文字を記入しづらいです。しかしこれは意外に効果が大きいです。机や本棚にしまうと表や裏の表紙が見えなくなります。唯一背表紙が見えているのみですので、これは次に必要な時さっと取り出す際に便利です。

 プリント類を科目や内容別に分類するためのファイルも背表紙のあるものを使ってください。そして手書きでも何でも結構ですので、科目名など内容を示す情報を記入して下さい。これも面倒な作業ですので、子供がなかなか実行しない場合、親が手伝って下さい。

 勉強ができるようになる準備の第一段階がこれで終わります。勉強部屋はいわばすべての活動拠点です。そこからすべてが発信されたり、持ちこまれて研究されたり、アイデアなどを練る場です。気持ちよく整理されシステム化されている空間で過ごす時間は、きっと快適なはずです。自分から進んでその空間で勉強し、成長していくはずです。

 次回はタイムマネジメントについてお話いたします。ご期待ください。