短期間で志望校合格を勝ち取る

受験まで残り3ヶ月を切るか切らないかの時点で、指導の依頼が入る事があります。

事実、合格可能偏差値まである程度の位置にいないと、合格を勝ち取るには時間との勝負になり難しいのですが、高くモチベーションを保ち、一問一問食らいつくように問題と格闘すれば、決して不可能とは言えないです。

かれこれ10年以上になりますが、6年生と5年生のご兄弟を続けて指導させて頂きました。

お兄さんは京都の大手塾に通い、高槻中を志望でしたが、合格可能性が五分五分で、時間も限られているため、算数理科の指導を入試問題の演習と弱点補強を並行していきました。

少しメンタル面で心配性な所もあるので、出来るだけ話を引き出してよく聞いてあげました。

このようなプロセスの中でお兄さんが志望校に合格すると、様々な形で弟さんの受験に対するモチベーションを高めます。

別の大手塾に通い、上のクラスに在籍だったのですが、やはり同じ高槻中に入学したいとの事。

入学後の事を踏まえ、上位合格を目指して中学への算数を使いながら、やや難解なレベルまで指導していきました。

同じ学校に合格したこのご兄弟の受験指導が、不思議にも後年、私の子供たちの受験対策に影響を与える事になりました。

この案件も10年前の11月に依頼があったもので、ハイレベルな中学受験塾の上から3~4番目あたりのクラスに在籍していた生徒さんの事です。

公開テストや合否判定テストで志望校の四天王寺中の合格可能性が50~60%位で、塾で勉強することで安心感を覚えてしまって、テストの間違い直しがほとんどできていない状況でした。

指導を進めていくと算数や理科に次から次と弱点が見つかり、、残り少ない日数から考えるとどう手をうつべきか?考えてしまいました。ただ、指導する側が合格は難しいと考えてしまうと、不思議なもので生徒に伝染ってしまうので、塾のテキスト・復習テストのやり直しなど、考えられることを丁寧に指導して行こうと決めました。

本人の転機は、最終の公開テストで第二志望の帝塚山中英数がC判定だったことでした。最悪でも帝塚山には合格できると考えていたので、さすがにのんびり屋の彼女も相当焦り、急に指導回数が増えて、勢い詰め込み作業となってしまいました。

結果的には2校とも合格し、四天王寺中に進学してからしばらく指導が続きましたが、詰め込み勉強のインパクトが大きすぎたのか、早めに定期テストや課題に取り組むようになりました。

ブログでも書いていますが、テスト勉強や受験勉強は計画をたてて、余裕をもって臨むことが大切です。

6年生の夏休みまで受験勉強をしたことがない、レアなケースです。

7年前の11月に依頼のあった案件で、当初は将来的にトップレベルの府立高校を目指す目的で、京阪沿線のハイレベルな塾に通っていた生徒です。

面談でお母様の話を伺うと、学校で友人が中学受験する話を聞いて、出来るものなら受験したいと考えだしたとの事。

改めて入塾テストを受けて中学受験コースに替わったものの、授業内容が既に入試対策に入り、さっぱり理解出来ないまま進み、どうしたら良いか分からない状態でした。

時間が無いため入試によく出る単元だけをビックアップして、塾のテキストに沿ってやり直し、並行して志望校の入試問題演習を行うという、まさに突貫工事そのものでした。

結果的には奈良育英中合格を皮切りに、同志社香里中、清風中(標準)の合格を勝ち取りました。

自宅からバイクで10分以内のご家庭だったので、スケジュールの空きを活用しての指導が幸いしたと思いますが、何よりも本人の意志の強さと良い意味での頑固さで合格を勝ち取ったのではないかと思います。

かれこれ7年位前になりますが、個人塾に通っていた小6の生徒さんを、とあるセンター(今は残念ながら開業されていないですが)から10月に指導依頼を受けました。

真面目なお子さんで頑張っておられたようですが、残念ながら受験テクニックをきちんと習っていないためか、算数では文章題の解き方が首尾一貫せず、理科は授業時間そのものが少なく、未学習単元がかなり残っていました。

そこで、1週間の学習計画を細かくたて、志望校の入試問題を解くのに必要な解法テクニックの指導、未学習単元の先取り指導を行いました。

塾に週4日(日曜も含む)通うので、指導時間の確保に苦労しましたが、分からない問題についてはFax、e-mailの活用で可能な限り解決していきました。

しかし、シンシンドウテストでは第一志望校の合格偏差値に届かず、本人、ご両親との綿密な相談の上、ワンランク下げて確実に合格する道を選択しました。

余力を持って同志社中に合格し、進学後も指導を続けて、外部受験して医学部に進みました。

願書を提出する時期に志望校を変える事はモチベーション低下の危険をはらみますが、敢えて将来の志望を考えて英断した本人の勇気には頭の下がる思いでした。

2年前の11月下旬にアプラスから指導依頼のあった6年生男子の事です。

シンシンドウテストの偏差値が下がり、特に算数の落ち込みが大きく志望校合格には厳しいとの事。本人は意気消沈していてすっかり自信を無くしてしまっているので、出来る単元を伸ばす事して気持ちを安定させ、並行して苦手単元の基礎力を定着させる事を目的に指導を進めました。

最終回のシンシンドウテストで以前に近い所まで成績が戻りましたが、今度は志望校の入試問題演習をすると、合格点に達しなく焦りが見られてきました。

お母様と相談して願書提出までは第一志望校を目指し、どうしても合格する自信が出てこないなら第二志望校に転換する事で、最後まで諦めずに頑張って行こうと激励しながら指導を進めました。

結果的には近畿大学附属中学を受験することになりましたが、プレッシャーから解放されて実力を発揮する事ができ、安全策でプログレスコースで受験したにも関わらず、一つ上のアドバンスコースで合格しました。

入試まで2ヶ月を切ると様々なプレッシャーや不安から、成績が下がってモチベーションも下がってしまうことがありますが、負けずに最後まで努力し続ければ、必ず実力を出しきれる事を感じました。

5年前の12月初めに依頼のあった6年生女子の事です。

ハイレベルな中学受験塾に夏休みまで通っていたが、公開テストのたびに成績が下がり、クラスも下がり続け、2学期から別の大手塾に替わったもののモチベーションが上がらず、受験希望校のレベルも下がり続けるという負のスパイラルに陥っていました。

自信を回復させないと受験校全てに失敗する可能性があり、入試までの残り日数を考慮しながら、算数は面積比、規則性、倍数変化算など苦手単元は例題解説から、理科は化学計算、力学計算などである程度パターン的な問題から指導を開始しました。

苦手単元の基礎的な解法が定着し、自信が回復しつつある状態を見計らって、入試では手強い容積などの水問題、旅人算と比、浮力、星座の運動に関する計算問題なども演習して行きました。

復習に時間がかかり、志望校の入試問題が年末年始になりましたが、解法テクニックをきちんと身に付けたので、合格最低点+10点位を取れるようになり、どうにか当日に間に合いました。

志望校である奈良学園中に合格し、残り日数が少なくともまず自信を持たせ、モチベーションを上げていくと、厳しい状況を打開できる事をこの生徒の指導を通して確信しました。