算数を中学数学の解き方で解くことに不安があります

◯相談内容:

算数が伸び悩んでいます。4年生までは塾でもトップクラスの成績で親子とも「最難関中をめざそう」とはりきっていたのですが現在では算数が足を引っ張って中の下あたりが精一杯の状況です。塾の計算問題は毎朝学校に行く前に解かせ、中学受験塾以外にも、父親が高校の数学の教師でもあるため、父親の指導で「中学の数学の計算」、もさせています。塾の教師からは中学受験の解き方で解いてくれと言われているのですが、「塾の解き方で成績が上がらないのなら、数学で解く方がいい」と言います。6年生になってからこのような根本的な方針転換をすることに母親である私は不安もあります。(奈良市・小学6年・男子)

◯回答(1):

難関校の多くは、計算問題の出題は少ないのですが、それらの学校では計算能力を確認することよりも、数そのものの理解を試す問題を大型問題の形式で出題しています。算数の入試問題を解くためには「数の理解と計算力」が欠かせませんが、これは通常の計算問題に限ったものではなく、「整数・小数・分数の相互の関連性と統一的な理解」も含んでいます。数の理解を深めることが、算数全体の問題解決能力を高めることに直結するのです。難関校を受験するのであれば、計算力をつけるだけではなく、数に対する理解を十分に深めておく必要があります。

お父様が数学を指導なさっているとのことですが、お子様さえストレスなく正確に数学を使いこなせているのであれば、単元によっては効果的な部分もあると思います。最難関中学に合格していく生徒に少なからずそういった解き方をするお子様もいました。ただ、目的は受験突破ですので、塾や家庭教師のプロの意見を無視するのは得策とは言えません。バランス良く学習をすることが大切です。

◯回答(2):

確かに数学的解法で解ける問題(速さ、割合に関する問題、消去算、代入算、順列、組合せなど)はありますが、最難関校の出題ではほんの一部です。

むしろその辺りを心得て出題しますので、かえって問題解決を複雑にしてしまう恐れがあります。ですので数学的解法に頼るのは即効性があるように見えますが、実は大きな落とし穴になる可能性が大きいと思います。

受験算数では柔軟な数的感覚、能力を駆使して解いていく事が大切なので、公式等に頼ると柔軟な発想力が乏しくなる危険性があります。

やはり中学受験塾で習った解法を組合せながら、正解に至らなかった問題を忍耐強く丁寧に解いて行く事が近道と考えます。